大手キャリアはデータ通信容量に制限がありますが、格安SIMについてはデータ容量無制限のプランが出てきています。
テザリング機能を使うことで外出時のポケットwifi代わりになるのはもちろん、自宅のインターネット回線を解約して、格安SIMに一本化するという荒技もあります。
ポケットwifiや自宅のインターネット回線を解約できればかなりの節約を期待できますので、一人暮らしの方などであれば一本化もありだと思いますが、不便な点が結構多いです。
今回は格安SIMでパソコン等を接続して、自宅のインターネット回線の代わりにする方法とそのメリットやデメリットについてもご紹介していきたいと思います。
自宅インターネット回線として利用する大まかな流れ
まず自宅インターネット回線として利用するためには、
- データ通信量無制限の格安SIMを契約する
- スマホのテザリング機能をオンにする
- パソコン等、wifiが必要な機器を接続する
という手順になります。
それでは各項目について詳しく説明していきたいと思います。
データ通信量無制限の格安SIMを契約する
パソコンは待機時にもアップデートデータのダウンロードなどの通信を行なっており、データ通信量無制限のSIMを使わないと速度制限にすぐに引っかかってしまう可能性があります。
また動画のストリーミングサービスなどは大量のデータ通信を行いますので、格安SIMを選ぶ上ではデータ通信量が無制限であるかどうかが大きなポイントとなります。
データ通信量が無制限の格安SIMを提供している通信会社はいくつかありますが、その中でも楽天モバイルがおすすめで実際に私も使っております。
データ通信量無制限を提供している格安SIM(全て音声通話つきプラン)
通信会社 | プランと月額料金 | 速度制限 |
楽天モバイル | スーパーホーダイS 1480円〜 |
高速通信は2GBまで 低速通信は最大1Mbpsで使い放題(12〜13時、18〜19時は300Kbps) |
UQモバイル | データ無制限+ 音声通話プラン 2680円 |
最大500Kbpsで使い放題 (直近3日6GBで制限) |
DTI SIM | 音声通話SIM つかい放題 2900円 |
1日2GB以上連続して使うと制限あり |
U mobile | LTE使い放題 2730円〜 |
データを使いすぎると制限あり (どれぐらいかは不明) |
楽天モバイルは料金が他よりも安く、低速通信でも1Mbpsとそこそこの速度が出てくれます。
高速通信は2GBで制限がかかってしまうものの、他の通信会社にある「数日間使いすぎると制限」というのがないので1Mbpsの低速通信であれば使い放題です。
UQモバイルは500Kbpsですので低速通信でも倍の速度が出ることになりますね。
また楽天モバイルは12時〜13時、18時〜19時の混み合う時間帯に300Kbpsへと制限がかかりますが、U mobileやDTI SIMについても混み合う時間帯は速度が安定しておらずかなり低速になる模様です。
正直300Kbpsの制限に引っかかる時間帯はかなり使いづらいのですが、スマホアプリを使っていつでも高速通信と低速通信を切り替えて使うことができるので、制限のかかる時間帯は高速通信にして、それ以外の時間帯を低速通信で使ってデータ容量を節約することが可能です。
混み合う時間帯は高速通信も結構遅いんですけどね。
ただ、料金面や制限される条件を合わせて考えると自宅回線やポケットwifi代わりに使うのは楽天モバイルが良いと思います。
基本的にテザリング可能な端末が多いですが、乗り換える前にテザリングに対応しているかどうか公式サイトで確認するようにしてください。
スマホのテザリング機能をオンにする
テザリングの方法には大きくわけて3つの方法があります。
wifi、Bluetooth、USBを使う方法となりますが、ここでは無線で何台でも接続できるwifiを使った設定方法を説明していきたいと思います。
Android端末の場合
Android端末は機種によってメニューの表記や手順が多少異なります。
いくつかのパターンを合わせて説明していきます。
まずはテザリングの設定画面まで向かう方法です。
テザリングは機種によって「wifiアクセスポイント」という名前になっている場合もあります。
「設定」
「無線とネットワーク」or「その他の設定」or「ネットワークとインターネット」
「テザリング」or「ポータブルwifiとアクセスポイント 」
この辺りは結構機種によって異なりますので、大体上記の表示を目安にテザリング(wifiアクセスポイント)の設定画面を開きましょう。
この画面で「wifiテザリング」or「テザリング」or「機種名」のチェックボックスをオンにします。
これでとりあえずテザリングがオンになったのですが、次にwifiのセキュリティを設定していきます。
セキュリティを設定していないと、誰でも接続できるようになってしまいますので注意してください。
次に「wifiテザリング設定」or「wifiアクセスポイントを設定」の画面に移ります。
ここではwifiの細かな設定を行います。
「ネットワーク名(SSID)」
これはこのwifiの回線につける名前だと思ってください。
近くにいれば誰でも見ることができるものなので、個人が特定できないようなものを設定すると良いです。
「セキュリティ」or「暗号化タイプ」
いくつか種類がありますが、比較的強固なセキュリティである「WPA2 PSK AES」を選んでいただくと安心です。
「パスワード」
これは忘れないよう自分で好きなものを選んでください。
これで一通りAndroidスマホ側のwifiの設定は完了です。
iPhone端末の場合
まず「設定」を開きます。
「インターネット共有」を選択します
「インターネット共有」をオンにします。
「Wi-Fiのパスワード」は好きなパスワードを設定してください。
「ネットワーク名」は後で使うので覚えておいてください。
これでiPhoneのテザリングがオンになりました。
パソコン等wifiが必要な機器を接続する
次にwifiを利用する端末側の設定です。
これは子機によって設定方法が違うため、一括りで説明することが難しいのですが、
スマホのテザリングによりwifi電波が飛んでいる状態になっているため、あとは利用したい端末で通常通りwifiの設定を行えば良いです。
端末により違いはありますが、流れは大体同じです。
利用したい端末でwifiの設定画面を開き、今近くで飛んでいるwifi電波の一覧が表示されれば、先程説明した「ネットワーク名(SSID)」を選択します。
パスワードの入力を求められると思いますので、先程設定したパスワードを入力すれば接続されます。
もしわかりにくい場合は「〇〇(端末名やOS名) wifi 設定」などで検索すると詳しい情報が出てくると思います。
格安SIMを自宅回線として利用するメリット
正直デメリットがかなり多くなりますが、人によっては検討する価値があります。
まずはメリットから見ていきましょう。
自宅インターネットの料金が浮く
もうここに尽きるでしょう。
毎月5000円程度の自宅回線料金を浮かせることができれば、年間約60,000円もの節約になります。
インターネットの料金って結構高いですし、一人暮らしだと結構もったいなく感じることもありますよね。
外出時も手軽にwifiが使える
データ容量無制限の格安SIMに乗り換えて、テザリングの設定を済ましておけば外出先でも簡単にポケットwifi代わりとして利用することができます。
僕も外出先でブログを書くときなどは楽天モバイルでテザリングしていますが、結構快適なのでポケットwifiは必要ないと感じるようになりました。
うーん。必死に考えたんですがメリットはこの2つしか思い浮かびませんでした。
まあ節約できる金額が大きいので、この点はかなり評価できるのではないでしょうか。
デメリット
デメリットが結構ありますし、無視できないものも多いので検討している方は是非一緒に考えてみてください。
家族は今まで通りwifiを使えなくなる
スマホがないとwifiに繋がらなくなるので、当然テザリングしている本人が外出している間は家族がwifiを使うことができなくなります。
家族全員で格安SIMに乗り換えてテザリングを使いこなすことができるようになれば問題解決ですが、実際なかなか難しいですよね。
一人暮らしの方や家族がwifiを必要としない場合、この点はクリアです。
通信速度に難あり
ここは結構気になりますよね。
楽天モバイルであれば無制限で1Mbpsの速度が出ますので、通常のインターネットはややもたつくものの、そこそこ快適に利用できます。
僕も外出時にブログを書いたりするのに利用していますが、さほど困ってはいません。
Youtubeの視聴は再生開始時の画質が結構荒くなりますが、しばらくするとある程度の画質まで改善してきます。
実際にやってみると数十秒で360p、数分で480pという画質で安定しました。
どの程度の画質で見れるか気になる方は実際にYoutubeの動画を再生し、右下の設定ボタンから画質を480pに変更することができますので試して見てください。
PS4でゲームをやったりというのは遅延があり難しいでしょう。
大容量のファイルダウンロードも時間がかかるので、夜中にダウンロードして放置しておくのがいいかもしれません。
楽天モバイルの公式サイトでスーパーホーダイのページから1Mbpsを実際にスマホで使っている動画を見ることができますので気になる方は確認して見てください。
楽天モバイルは通信の遅い時間帯がある
楽天モバイルは12時〜13時、18時〜19時の時間帯、使い放題の低速モードで300Kbpsに制限されます。
これは結構遅いので、メールをチェックしたりラインを見たり音楽のストリーミング配信を聴いたりするぐらいが限界です。
インターネットもかなりもたつくので、あまり使う気にはなれないでしょう。
楽天モバイルのスーパーホーダイSは2GBの高速通信モードがついてきますが、制限があるのでテザリングにはあまり向いていません。
さらに高速通信モードでも上記の制限時間帯は混み合うので割と遅くなります。
この時間帯は動画の視聴などデータ容量を使う通信は諦め基本的にはあまり使わない、
必要があれば高速通信モードでインターネットを閲覧する程度が良いです。
テザリング中はスマホのバッテリーの減りが早い
テザリング中スマホは通信している状態となりますので、バッテリーの減りが結構早くなります。
こまめな充電が必要です。
自宅回線の格安SIM一本化に向いてる人、向いてない人
向いている人
- 一人暮らし
- スマホ以外はあまりwifiを使わない
- 動画はそこそこの画質でいい
- 遅くなる時間帯があっても、そんなに急いで使うことはない
- 節約できるならこれぐらい我慢できそう
- すぐに引っ越すのでネット回線は申し込みたくない
向いていない人
- 家族もwifiを使う
- パソコンやゲーム機などあらゆる機器でwifiを使っている
- 動画は綺麗な方がいい
- インターネットは速度が大事
- 遅くなる時間帯があると厳しい
まとめ
自宅回線を格安SIMに置き換えるというのは結構ハードルが高い反面、大きな節約にも繋がります。
私自身も興味があり一時期真剣に検討しましたが、家族もいますしPCをかなり使うので今は見合わせています。
節約できる金額が大きいので、きっと一人暮らしであれば踏み切っていたと思いますね。
単身赴任の方や一人暮らしの大学生などは、自宅インターネット回線の負担って結構大きいですし近々引っ越す可能性も高いので検討の余地もあると思います。
不便な点も多いので、まずは格安SIMに乗り換えて速度感やテザリングを試してからの方が安心して切り替えができると思います。
格安SIMに乗り換えるだけでも結構な節約になりますし、上記のやり方でポケットwifiとしては十分に活躍してくれると思います。
くれぐれもいきなり自宅インターネット回線の解約をしないよう注意してくださいね。