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本当に必要な老後の貯蓄額は?統計データから徹底検証!

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老後の貯蓄額って、人によって色々な意見があって、どれを信じたらいいのか不安になりますよね。

あるところでは5,000万円必要と書いてあったり、1,000万円で大丈夫と書いてあったり。

実は保険会社や銀行が自社の商品を売るために、不安を煽っているような記事もしばしば見られます。

 

結論から言うと老後に最低限備えておきたい金額は

単身者世帯 1,230万円

夫婦世帯  1,630万円

と言えますが、多くの方がこの金額より少ない額しか貯蓄できていません。

 

今回は統計データをもとに老後に本当に必要な貯蓄額を考えて行きます。

 

まずは統計データでみんなの家計をみてみよう

金融広報中央委員会の「平成30年 家計の金融行動に関する世論調査」をもとに、貯蓄や収入、借入金に関するデータをまとめてみます。

 

単身者世帯の貯蓄額は?

まずは年齢別にどれぐらいの貯金をしているのか見ていきましょう。

 

単身者世帯の貯蓄額グラフ

 

ただ、上のデータは貯蓄が全くない方も含まれています。

 

次に貯蓄が少しでもある方に限ったデータを見てみましょう。

 

単身者世帯の貯蓄額グラフ

 

2人以上の世帯の貯蓄額

次に2人以上の世帯での貯蓄額です。

 

2人以上世帯の貯蓄額グラフ

 

2人以上世帯の貯蓄額グラフ

 

平均値と中央値の違い

中央値というのは値の少ない人から大きい人まで順番に並べた場合、その順番の真ん中にくる人の値のことです。

 

例えば5人分の貯金データであれば

平均値は5人の貯金を足して5で割った金額

中央値は貯金の少ない順番に並んで3人目の貯金額

ということになります。

 

一部のお金持ちの方々が平均値を大きく押し上げているため、実情とは少し離れた数字となってしまいます。

どちらかといえば実情は中央値の方が近いと言えるでしょう。

 

貯蓄が全くない人ってどれぐらいいるの?

全体で見ると単身者世帯の方で38.6%、2人以上世帯の方で22.7%の方は貯蓄がないと回答されています。

 

貯蓄がない世帯の割合グラフ

 

住宅ローンなどの借金はどれぐらい?

先ほどの貯蓄額にはローンなどの借入金は含まれていません。

ローンなどの借入金がある人の割合は単身者世帯で18.5%、2人以上世帯で40.9%となっています。

 

では借入金の平均を見ていきましょう。

 

借入金の平均金額グラフ

 

これは借入金のない方も含めた平均値です。

借入金の主な目的は、2人以上の世帯で住宅や車のローンなど、単身者世帯では日常生活の資金となっています。

やはり住宅ローンが借入金の平均値を大きく押し上げていると言えるでしょう。

 

みんなは老後に向けてどれぐらいの貯蓄が必要だと考えてる?

単身者世帯の方で2,163万円、2人以上世帯の方で2,063万円の貯蓄が老後に必要だと考えているようです。

 

2人以上世帯よりも単身者世帯の方が貯蓄が多く必要との結果となっていますが、これには持ち家や子供の有無との相関はほとんど見られませんでした。

 

年金だけで日常生活を送ることが難しいと考えている世帯は単身者世帯で55.5%、2人以上世帯で41.8%となっており、年金に対する不安感の差も影響しているようです。

 

みんな実際どれぐらい貯蓄してるの?

次に収入に対する貯蓄の割合を見ていきましょう。

年収 単身者世帯 2人以上世帯
300万円未満 8% 4%
300〜499万円 15% 7%
500〜749万円 19% 10%
750〜999万円 23% 11%
1000〜1199万円 19% 14%
1200万以上円 4% 18%

 

年収400万円程度の単身者の方であれば、毎月大体5万円程度。

年収700万円程度の2人世帯の方であれば、毎月大体5万8千円程度の貯蓄をしている計算になります。

 

みんなの手取り収入はどれぐらい?

次に年間の手取り収入を年齢別に見ていきましょう。

 

単身者世帯の手取り収入グラフ

 

2人以上世帯の手取り収入グラフ

 

手取り収入についても中央値の方が、より実情に近い値となっていると言えます。

 

老後の家計を見てみよう

では実際に老後にはどれぐらいのお金がかかっているのか、次は総務省統計局の「平成29年 家計調査報告」から、高齢者無職世帯の家計を見ていきましょう。

 

 icon-lightbulb-o 単身者世帯の家計

高齢単身無職世帯の家計収支

 

 

 icon-lightbulb-o 夫婦世帯の家計

高齢夫婦無職世帯の家計収支

 

単身者世帯では平均して毎月15万4742円の出費をしていますが、収入は11万4027円しかなく、4万7015円分は不足しているため、貯蓄などから補っているということになります。

夫婦世帯では平均して毎月26万3717円の出費をしていますが、収入は20万9198円しかなく、5万4519円分は不足していることになります。

 

つまり、年金だけで老後を過ごすのは難しく、貯蓄を切り崩しながら生活することになる場合が多いのです。

老後の破産を免れるためには、やはりある程度の貯蓄が必要になります。

 

老後に備えておきたい貯蓄額は?

次は老後のために準備しておきたい貯蓄額を考えていきます。

 

定年の段階で最低限備えておきたい貯蓄額

定年を迎える60歳になった段階での平均余命は男性で23年、女性で28年となっています。

つまり60歳になった段階で平均的に男性は83歳女性は88歳まで生きることになります。

今回は、少し余裕を持って90歳まで生きるということを前提に計算していきます。

65歳で無職になり、年金の受給を開始したと仮定してみましょう。

 

先ほどの高齢者世帯の毎月の不足分から考えていきます。

 

「毎月の不足分×12ヶ月×25年」という計算式で平均的に備えておきたい金額が算出できます。

 

 icon-home 老後に最低限備えておきたい貯蓄額

単身者世帯 1221万4500円

夫婦世帯  1635万5700円

 

ということになります。

平均的な暮らしを送ってきた方で、この金額の貯蓄ができていれば、ごく一般的な老後が送れると考えていいでしょう。

 

ただしリスクを考慮しておらず、多めに貯蓄が必要な場合もある

しかし、あくまで平均的な暮らしを送ったと仮定した場合ですので、下記のようなリスクは考慮していない金額となります。

・病気や災害

・インフレによる物価の上昇

・90歳よりも長く生きる場合

・定年前のリストラ

・60歳から65歳までの仕事が見つからない場合

 

また、次のような方は更に多めに貯蓄をしておく必要があります。

・自営業などで厚生年金に加入していない方

・これまでに年金を納めていない期間が長くある方

・ゆとりある老後を過ごしたい方

 

一般的な貯蓄額では足りない?

60代の貯蓄額中央値(貯蓄がある方のみ)は

単身者世帯  1100万円

2人以上世帯 1500万円

 

対して必要な貯蓄額は

単身者世帯  1221万4500円

夫婦世帯   1635万5700円

 

という結果となっていますので、両世帯ともに130万円程度足りないという計算になります。

ただ、60代の貯蓄額には65歳以降の方の貯蓄も含まれているため、年金生活で貯蓄をすでに切り崩している方も多く、定年を迎えた60歳の段階ではもう少し貯蓄額が多かったと推測されます。

 

年齢別の貯蓄目標

では貯蓄額の中央値に、老後の生活費として不足する約130万円を世代ごとに満遍なく振り分け、最低限備えておきたい貯蓄額を年齢別にまとめていきたいと思います。

 

 icon-lightbulb-o 最低限備えておきたい貯蓄額

単身者 2人以上世帯
20代 111万円 276万円
30代 302万円 552万円
40代 578万円 878万円
50代 815万円 1,290万円
60歳定年時 1,230万円 1,630万円

 

有事に備え安心感のある老後のために、単身者で200万円2人以上世帯で300万円多めに貯蓄を形成していきたいところです。

年齢毎にその金額をプラスした値を、貯蓄目標にできれば良いでしょう。

 

 icon-lightbulb-o 安心をプラスした貯蓄目標

単身者 2人以上世帯
20代 151万円 336万円
30代 382万円 672万円
40代 698万円 1,058万円
50代 975万円 1,530万円
60歳定年時 1,430万円 1,930万円

 

もちろん、これは一般的な暮らしから計算した値なので、全ての人に当てはまるわけではありません。

定年後に海外旅行やショッピングをたっぷりと楽しむなど、ゆとりある老後を目指すのであれば上記の金額では不足するでしょう。

 

「ゆとりある老後には4000万円必要」ってほんと?

ネット上で見かける「ゆとりある老後には4000万円必要」の文字。

この多くが、生命保険文化センターの「平成28年度 生活保障に関する調査」をもとにしています。

 

この調査では「ゆとりある老後の生活費」として月に34.9万円が必要との統計データが出されています。

34.9万円から夫婦世帯の平均的な収入である20.9万円を引くと月々の不足分は14万円になります。

ここに定年後の25年をかけると、なんと4200万円となるのです。

 

ただ、統計データをよく見ると18歳から69歳に対する意識調査となっており、単身者か2人以上の世帯かも区別されていません。

つまり、まだ老後に入っていない若い世代が必要と考える金額であって、実際に必要とされている金額ではないのです。

 

2人以上世帯の方で、「年金で日常生活の費用を賄うことができる」と考えている世帯は40歳代では45.2%なのに対し、70歳代では68.9%と、年金を実際に受給している世代よりも、若い世代の方が年金に対する危機感が強いことが伺えます。

 

確かに、今後年金受給額の引き下げなど、年金を取り巻く環境は厳しくなる可能性もあります。

ただ現在、実際に年金を受給している世代は、若い世代が思うほど年金での暮らしに困っていないことが伺えます。

 

平均的に26.3万円で暮らしている高齢者の方々に、更に毎月8万円となると、かなりのゆとりを見越した値であると言えます。

すでに26.3万円の中には教養娯楽費、交際費を合わせて毎月5.2万円が含まれていますからね。

 

それぞれ考え方は異なると思いますが、通常の生活費にプラス2万円もあれば、時々旅行に出かけたりといったプチ贅沢は十分できるのではないでしょうか。

ちなみに25年間、毎月2万円を生活費にプラスしようと思うと、更に600万円の貯蓄が必要な計算となります。

 

まとめ

 icon-lightbulb-o 老後に最低限備えておきたい貯蓄額

単身者世帯  1,230万円

2人以上世帯 1,630万円

 

 icon-lightbulb-o 安心をプラスした目標貯蓄額

単身者世帯  1,430万円

2人以上世帯 1,930万円

 

 icon-lightbulb-o ゆとりのある老後を送るための貯蓄額

単身者世帯  2,030万円

2人以上世帯 2,530万円

 

保険や投資信託の商品を売るために、保険会社や銀行は必要以上に不安を煽る傾向にあります。

しかし、実際には大半の方が現実的でないと感じる貯蓄額であり、振り回されないよう注意が必要です。

 

多くの方が、今回算出した最低限備えておきたい金額も貯蓄できておらず、その中でやりくりをしている実態があります。

貯蓄が全くない方もたくさんおられますし、最低限の貯蓄が達成できるだけでもある意味十分でしょう。

 

余裕のあるタイミングで少しずつ貯蓄し、目標金額に近づけていくことができれば良いのではないでしょうか。

 

老後の生活に漠然と心配しながらする貯蓄よりも、日々少しずつ達成できる貯蓄の方が楽しく続けられます。

 

無理なくのんびり頑張りましょう。

私も亀の歩みで頑張ります 笑

 

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